冷間成形とは?
冷間成形は、室温状態にあるコイル状の金属ワイヤー材を決められた一定の長さに正確に切断し、ツールとダイ内の空間を利用した金属の動きを継続的に行い、径の増大/減少、長さの延長/短縮、またはトリミングやピアスを行い、素材から少量の材料を取り除く等を行う高速の成形プロセスの事です。
金属は、限界降伏点を超えて圧力を与えられ、変形し、ダイから取外されても、その成形形状を維持します。金属は、抗張力を超えて圧力を与えられてはいけません。その場合には、破砕が起こります。(但し、トリムやピアスを行っている場合は、除きます。) 歴史的に冷間成形は、経験に基づく技術がベースとなっていましたが、現在は、コンピューターをベースにした解析用ツールが 常に開発されております。
冷間成形の基礎
冷間成形で求められる部品形状を得ようとする時、その金属の材質及び構造的特性が冷 間成形性を支配します。これ等の特性が部品成形のルールを作成する拠りどころとなります。成形のルールは、下記に挙げる3種類の基本 的な成形法のコンビネーションに基づいています。
冷間成形の利点
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生産速度
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ネット/ニアネット成形で2次加工を削減
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安定性/寸法精度
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品質/表面仕上げ
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素材節約とスクラップの削減
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機械的特性の改善、重量比でより強く切れのないファイバーフ
ロー (スパークプラグの例とそのファイバーフローを参照して
下さい。)
冷間成形は、これ等の利点がある事により、熱間鍛造、鋳造、
粉末冶金、切削、溶接、スタンピング、強化プラスチック/コン
ポジット に代わる工法として注目されています。
冷間成形材
冷間成形に使用される材料として、下記の材質が挙げられますが、下記以外の材質もあります。
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炭素鋼
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ステンレススチール
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合金鋼
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アルミ
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真鍮、黄銅
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銅
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ブロンズ
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ニッケル合金
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貴金属
(部品サンプル1、2、及び3を参照して下さい。) -
鉛
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航空機用合金
冷間成形機
冷間成形機は、一般的にはラムが水平方向にスライドするプレス機の一種です。機内に送り込まれたワイヤー材
は連続的に必要な長さに切断され、切断された素材は、一列に連なったパンチとダイにトランスファーされ、
希望する形状に成形されます。冷間成形機械は、
成形する部品のタイプにより、多くのバリエーションがあります。
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切断径の能力(2mm ~ 48mm)
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送り長さの能力(2mm ~ 300mm超)
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総圧造荷重(50kN ~ 16000kN)
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トランスファーのタイプ
温間成形とは?
温間成形は、素材の再結晶化、粒子の増大化、素材の性質的変化を起こす事無く、素材の可鍛性を最大にするまで加熱して行う金属変形プロセスです。このプロセスは、製品の2次加工を排除出来るように、ネットシェープまたは最終公差内に成形を行うことが出来ます。温度は、製品の材質、寸法、最終の製品仕様、公差によって決められます。
温間成形は、何十年も、主にチタン等を利用する航空宇宙産業で使用されている成形機で行われて来ました。 歴史的に3ブロー2ダイ機やダブルストローク機(2ダイ2ブロー機)にヒーター機器が取付けられたものでした。 今日、FORMAXの様な特化した機械では、温間成形に必要なアプリケーションに対し、進歩した技術を取り込み、製作されています。
プロセスの温度は、製品の材質、寸法、最終の製品仕様、公差によって決められます。 温度は、摂氏200-850度の間に設定されます。 加工油と金型のクリアランスは、一般的に摂氏600度を超えた時点で変更されます。 温間成形が必要な可能性の有る材質:
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商業用ステンレス
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FA 286 SS
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高炭素鋼、合金鋼
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インコネル
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ワスパロイ
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チタン(6-2, 6-4) 詳しくはこちらへ